閑話~日本人の容姿
“自然人類学“の入門書を読んでいて、成る程と腑に落ちる話がありました
のでご紹介します。関心のある方は以下をご一読ください。
自然人類学によると日本人は、その祖先である古モンゴロイド(縄文人)
と新モンゴロイド(弥生人)が混血した人種だということです。
日本列島に元々住んでいた縄文人の祖先は顔の凹凸がはっきりしていて
手足が細長く、髭や体毛も濃い容姿をしていました。
ところが、大陸の北方にいたモンゴロイドは氷河期(1.7~2万年前)の
厳しい寒冷に耐えるために身体を寒冷地適応するように進化させました。
まず第一に、体温を保持するために身体の体積を増やさなければならず、
胴体を太くし皮膚面積の大きな手足を短くしていわゆる短足胴長の体型に
進化させました。
一方、顔はどうしても外気に触れるために凹凸が大きい尖った部分は
血行が悪くなり凍傷にかかってしまいます。そのため鼻などの凸部を
低くして扁平な顔に変化せざるを得なかったようです。
また、眼は90%が水分なため眼球を凍らさないように瞼に脂肪を貯えて
出来るだけ外気に曝されないように細い目にして寒冷に適応しました。
同様に、吐く息が髭に凍りついて凍傷になるため都合の悪い髭や体毛
は退化して薄くなりました。
以上のように寒冷地への適応は美的には好ましくないかもしれませんが、
人類が生き延びるために仕方がない進化だったと言えます。
このように寒冷地適応した北方の人たちを新モンゴロイドと呼びます。
これに対して日本列島には元々、寒冷地適応していない古モンゴロイド
の人たち(縄文人)が住んでいました。
『縄文時代の終り頃に大陸から寒冷地適応した新モンゴロイド(弥生人)が
日本に渡来して土着の古モンゴロイドと混血して現代日本人の容姿や体型が
つくられた』ことが最近の“自然人類学”の研究で分かってきました。
確かに、自分の周りをみても顔の彫が深い人扁平な人、手足が長い人
短い人、眼が大きい人細い人、毛深い人薄い人など、縄文的な特色が
強い人と弥生人的な人が入り混じっているようです。
自然人類学的な視点で日本人の容姿を眺めると、また違った社会の景色が
見えてくるのではないでしょうか。
参考:「アイヌは現日本人か」梅原猛 & 埴原和郎 著(小学館創造選書)

Staff M.T
NAOはり灸院