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鍼灸は古くて新しい治療?

~『養生訓』貝原益軒著にみる鍼灸の効用~

貝原益軒は江戸時代に福岡黒田藩に仕え、今も読み継がるベストセラー「養生訓」を著した博学の学者です。それによると300年余り前の江戸時代の人も、鍼灸によって体をめぐる気・血・水を整え健康の回復や増進を図っていたことをうかがい知ることができます。そこで「養生訓」の関連部分を転記しますので、はり灸の受診をする際の参考にしていただけると幸いです。

以下、『養生訓 全現代語訳』伊藤友信訳(講談社学術文庫)からの抜粋です。

[鍼の効用]

鍼の効用はどうであろうか。この質問に答える。鍼を刺すのは、気血のとどこおりを循環させて、腹中の停滞を散らし、手足の頑固なしびれをとり除く。また外に気をもらして内に気をめぐらせ、しかも上下左右に気を誘導する。積滞や腹痛などの急病に用いると、薬や灸よりも早く消導(毒を消し回復に導く)するためである。

積滞のないのに鍼を刺すと、かえって元気をへらしてします。それゆえに「正伝或問」に「鍼に潟(吐くこと)あって補なし」という。

しかし鍼を刺してとどこおりを吐き出させ、気をめぐらせてふさがらぬようにすれば、そのあとは食補も薬補もしやすくなる。

(以下、略)

[灸の効用]

ひとの身体に灸をするのは、どのような理由であろうか。それについていう。人間が生きているのは、天地の元気を受けてそれを根本にしているからである。元気は陽気である。陽気は暖かで火に属している。また陽気はよく万物を生成する。

ところで陰血もまた元気から生じる。元気が不足して停滞してめぐらないと、気がへって病気が起こる。血も同じようにへる。

それゆえに火気をかりて陽を助け、元気を補充すると、陽気が発生して強くなり、脾胃が調整されて食がすすみ、気血がよく循環し、飲食がとどこおらないで、険邪の気が去るといわれる。

これが灸の効力で、陽を助けて気血を盛んにし、病気を快復させる原理なのであろう。

NAOはり灸院


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