簡単で直ぐ効く”筋リラクゼーション法”のご紹介
今回は、“筋リラクゼーション法”をご紹介します。
アメリカの神経生理学者ジェイコブソンが80年近く前に開発した方法で、
今では世界中で行われているリラクゼーション法のひとつです。
“漸進的筋リラクゼーション法”とも呼ばれています。
筋肉を緩めリラックスすると、色々な心身の苦痛や不快な症状を
軽減・回復できることが医学的に分かっており、このメカニズムを
利用したリラクゼーション法です。
漸進的とは、体の一部を弛緩させるとその影響が体全体に及ぶという意味です。
書籍やインターネット上で詳しく解説されているので、それらも参考にして
基本を押さえた上で自分流にアレンジしたリラクゼーション法を編み出すのも
良いかもしれません。
簡単で即効性があるので、関心ある方は一度試してみてはいかがでしょうか。
◆リラクゼーションの効果
1)精神的な効果
・頭を十分に休ませることでき、物事に積極的・能率的に取り組める
・精神集中や精神統一ができ、判断力や決断力が高まる
・頭の中を空にすることができ、気分が落ち着く
・色々な苦痛や不快感(音、光、臭い、痛みなどに対し)を軽減できる
2)身体的な効果
・良く眠れるようになる
・習慣的、慢性的な頭痛が軽くなる。特に緊張性の頭痛に良く効く
・不快な胃腸症状を和らげる。また予防効果が期待できる
・血圧が安定する
・その他、自律神経の失調による色々な不調が改善する
◆準備
初めは静かで落ち着ける部屋などで行う。
慣れてきたら時間や場所を選ばず、いつでもどこでも出来るようになります。
姿勢は、腰かける、仰向けに横たわる、立ったままなど自分に合った状態を
選んでください。
◆進め方
基本動作は、筋肉の緊張(約10秒間)⇒脱力⇒弛緩(約20秒間)を
1サイクルで行うだけで非常に簡単です。
注意することは、「70%位の力で筋肉を緊張させる」ことと、
脱力した後に「緊張と弛緩の落差に意識を向ける」の2点です。
これをを順次、繰り返して体全体をリラックスさせます。
(各部、1~2回程度を目安)
基本は次の順序で進めますが、全部を一度に行うのは時間的にも大変なので
何回かに分けたり、特に緊張を感じている部位を重点的に行うのも良いでしょう。
①手と腕(利き手→反対の手→両手→両腕→両腕二頭筋)
② 顔(額→眉→眼→歯→舌→唇)
③ 頸(後ろ→右→左→前)
④肩(上下→前後)
⑤胸、⑥腹部、⑦背中、⑧脚部
◆緊張のやり方
1)手と腕
・こぶしを固く握りしめる(手)
・肘を曲げ二の腕に力を入れる(両腕)
・腕を力いっぱい伸ばす(両腕二頭筋)
2)顔
・額に固くしわを寄せる(額)
・顔をしかめ眉にしわをよせる(眉)
・眼を固く閉じる(眼)
・あごを合わせて、歯をギュツとかみしめる(歯)
・舌を上あごの天井に強く押し付ける(舌)
・唇をすぼめ、上唇と下唇を押し付ける(唇)
3)頸
・頭を後ろ、右、左、前の順に倒し筋肉を緊張させる
4)肩
・肩をギュツとすぼめる
・肩を上下、前後に動かす
5)胸
・空気を胸いっぱいに吸い、息を止めて力を入れる
6)腹部
・胃の周りや下腹の筋肉を引き締め、腹部を緊張させる
・腹筋を内側に引っ込ませる
7)背中
・背中を、ぐっと後ろにそらし湾曲させる
8)脚部
・膝を曲げて、ふくらはぎで腿の裏を強く押し付ける
・足首から先とつま先を押し下げ、次に足首から先を上方に曲げる
◆留意する点
①全部の部位を行うのではなく、緊張を感じているところを重点的に行ってもよい
②静かな場所で、ゆったりした気分で行うと効果が得られやすい
③就寝前や緊張を感じた時などにリラクゼーションを習慣づけると体調管理に有効です
④基本的に副作用もなく安全なリラクゼーション法と言われています
偏頭痛持ちの私も、実践しています
筋リラクゼーション法を知らなかった以前よりは、ほんの少し偏頭痛の回数が減ったような気がいたします。
効果には個人差はあると思いますが、お身体のどこかにお辛い症状がある方は、試してみるのも良いかもしれません
NAOはり灸院
院長 坂谷 尚子